歌ってみたを投稿するなら、なるべく良い音質で録音したいですよね。
そこそこ以上の音質で歌を録音するために必要な機材は
- パソコン
- オーディオインターフェイス
- マイク
の三つ。
その中でも今回はマイクについてのお話です。
マイクにはダイナミックマイクとコンデンサーマイクがあります。
なんとなく「コンデンサーのほうが高価で音質が良く、レコーディング向き」ということだけ知っているという人も少なくないはず。
概ねその解釈で合っています。プロのレコーディングはコンデンサーマイクを使用します。
しかしプロにとっては良い機材でも、歌い手初心者には扱いきれないことも。
素人がコンデンサーマイクを使う場合、思わぬ落とし穴があるのです。
扱いが難しい
コンデンサーマイクはダイナミックマイクと比べて扱いが難しいです。
ダイナミックマイクは粗雑な扱い方でもすぐに壊れてしまうことはありませんが、コンデンサーマイクはそうもいきません。
がさつな人には繊細なコンデンサーマイクより頑丈なダイナミックマイクのほうが向いているかもしれません。
また、コンデンサーマイクはダイナミックマイクと比べて、録音できるようにセットするまでも時間がかかります。
接続の仕方がめんどくさい
ダイナミックマイクはケーブルを挿せばもう録音できる状態になります。
それに比べ、コンデンサーマイクの接続は複雑です。
コンデンサーマイクの接続方法
- I/Fのファンタム電源がOFFになっているか確認
- インプットゲインが-∞になっているか確認
- ケーブルを接続
- ファンタム音源をONにする
- インプットゲインを調節する
慣れれば1分しないで終わるとはいえ、ダイナミックマイクよりは面倒です。
振動に弱い
コンデンサーマイクは振動に弱いです。
そのため録音中はマイクスタンドにしっかり固定しなければいけません。
うっかりマイクスタンドを揺らしたり倒してしまうと故障してしまう恐れがあります。
また基本的にコンデンサーマイクは手で持って歌うことができません。振動しますし、感電のおそれもありますから。
マイクを手に持って歌うことが好きな人は覚えておきましょう。
ショックマウントが複雑でめんどくさい
ダイナミックマイク用のホルダーはとてもシンプルな形状です。
筒の中にマイクを差し込めばこれで固定完了。
対してコンデンサーマイクのホルダー。
これらはショックマウント、サスペンションホルダー等と呼ばれ、とても複雑な形状をしています。
前に雑に扱ったことでゴムひもが外れ、大変な思いをしたことがあります。
湿気に弱い
コンデンサーマイクは湿気に弱いため、湿気の少ないところに保存する必要があります。
専用の防湿庫があるほどです。
個人使用の場合は流石に防湿庫までは必要ないですが、密封できる容器に乾燥剤を入れ、その中に保存するなどのケアが必要です。
乾燥剤は一ヶ月程度で交換が必要です。
ノイズを拾いやすい
コンデンサーマイクは非常に感度の良いマイク。小さい音まで見事に拾ってくれます。
これは自宅録音の場合欠点にもなります。
コンデンサーマイクは微弱なノイズまでしっかり録音してしまいます。
スタジオ録音ならばノイズは非常に少ないので問題はありません。
しかし自宅録音の場合。生活音、壁からの反響、家の外の音、パソコンのファンの音等等……
これらの微弱な音がノイズとしてばっちり録音されてしまいます。
また、コンデンサーマイクは無指向性といって、周りの音を全て録音してしまいます。
ダイナミックマイクは単一指向性といって、マイクの頭の方向の音をよく広い、横からの音はあまり拾いません。
これもノイズを拾ってしまう原因になります。
高価なものが多い
低価格なものも随分増えましたが、ダイナミックマイクと比べると高価格なものが多いです。
1万円出しても、低価格のものしか買えません。
低価格でもしっかり使えるものは増えていますが、プロも使うようなものが欲しいとなると数万円出す必要があります。
ダイナミックマイクで1万円を出すと、プロもよく使っている定番のダイナミックマイクSHURE SM58をはじめとし、良質なマイクが選び放題です。
定番ダイナミックマイク、低価格コンデンサーマイクなど選択肢はたくさん
やはりコンデンサーマイクの方が良い音質で録音することができます。しかしそれはレコーディングスタジオでの話。
自宅録音でしっかりコンデンサーマイクを扱いきれないのであれば、簡単に使えるダイナミックマイクにするのも良いでしょう。
定番のSM58、低価格でそこそこ使えるXM8500、予算や用途に合わせて選べるOMシリーズなど、1万円以内でも選択肢はたくさんあります。


それでもコンデンサーマイクを使ってみたい場合。
低価格のコンデンサーマイクでお試しするのもアリです。
最近は一万円以下のものも増えています。


